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政府が実現不可能な出生率の引き上げにこだわっているのも、現在の出生率では年金財政を維持できないからである(なお、2005年に1.26だった合計特殊出生率が、2006年には1.30に回復した。
このことをもって、年金財政をめぐる環境が好転したと考える人がいるかもしれないが、決してそんなことはない。
この程度の変化では、年金財政に対する効果はほとんどとれないが、ゼロである)。
このような高い給付を実現できるとはとうてい考えられない。
なぜなら、この試算の前提には大きな疑問があるからだ。
特に問題なのは、賃金上昇率を2.5%、積立金の運用利回りを4.1%としている点だ。
4.1%という高い(しかも賃金上昇率を大幅に上回る)利回りを長期的に継続できる可能性はきわめて低い。
政府が公約する「所得代替率50%」という結論を導くための非現実的想定としか考えようがない。
したがって、51.6%という見通しは超楽観的なものであり、実現する可能性は低い。
保険料の引き上げや給付水準の切り下げ(支給開始年齢の引き上げも含む)を、将来再び行なわざるをえなくなる可能性は、きわめて高い。
この試算はむしろ、「所得代替率50%の維持は不可能」と読むべきものだ。
これだけを考えても、年金財政が容易ならざる問題を抱えていることがわかる。
この問題への対処法として、まず、「公的年金を民営化することは可能か?」という問題を考えてみよう。
それにもかかわらず、年金の民営化は議論さえされていない。
なぜであろうか?その理由は、現在の保険料と給付水準、および積立金を引き継いで民間企業が運営しようとすると、将来大規模な赤字が発生してしまうからである。
白紙状態で年金を民間企業が行なうことは可能であるが、すでに存在している制度を引き継いで運営できるかというと、現在の制度が維持可能な財政構造のものではないために、不可能なのだ。
年金制度を通じて、国が大規模な潜在的赤字を抱えていることを意味する。
実際、現時点で公的年金制度を清算できるかどうかを計算してみると、「とうてい不可能」という結論になる。
以上の財政構造こそが、現行年金制度の持つ最大の問題である。
日本の財政が抱えている最大の問題である。
消費税の税率引き上げも、年金財政との関連で必要とされている。
しかも、年金財政は、消費税率を数パーセント程度引き上げるだけでは解決ができない問題である。
だから、日本が抱える最大の問題であると言ってよい。
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